河川技術論文集
Online ISSN : 2436-6714
河道内植生動態モデルの課題と展望 -生物多様性の予測・評価を行うための技術提案-
萱場 祐一宮脇 成生安田 悠乃荒木 隆阿部 直己
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2024 年 30 巻 p. 53-58

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抄録

本総説では,河川における種の多様性に着目した植生動態モデルを構築するに当たって必要となる要件と既往研究の特徴と課題を取りまとめ,今後の展望を示した.要件として(1)対象とする人為的インパクト,(2)予測・評価対象,(3)時間スケール,(4)空間スケール,(5)予測結果の評価を選定して内容を記述した.既往研究から,予測・評価対象として多様性評価に必要な群落を選定していないこと,空間スケールを小さく(高い空間解像度)設定している一方で,長期の時間スケールに対応していないこと等を特徴・課題として取り上げた.また,展望として,河道を撹乱領域と非撹乱領域に分け,双方の領域において幅を持たせた期間で出現する可能性の高い群落群を予測することで,種の多様性評価を行うことを提案した.

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© 2024 土木学会
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