抄録
エアロビック競技は国際体操連盟(FIG)の他の種目と比較し,歴史的に浅いこともあり,競技に関する研究報告は少ない.その影響もあり,エアロビック競技の採点規則に定められている難度エレメントの説明と技術要件の記載内容には不明確な部分がある.そのため,競技会における難度エレメントの実施方法,実施状況は多様となっており,難度エレメントの評価が的確に行われているとはいえない現状がある.そこで本研究は,発生運動学の体系論的構造分析に基づき,世界トップレベルの男子選手の多くが実施している「STRADDLE CUT 1/2 TWIST TO PUSH UP」の運動課題を縁取り分析し,本来実施されるべき本質的な運動課題を明確化することを目的とした.その結果,1)開脚した両脚が水平面運動を示すことを除き,その他の身体の運動は鉛直面の運動を行うこと,2)開脚した両脚を前方へと振り出す動作をするため,左右軸における後方回転で行うこと,3)左右軸による後方回転に加え,運動課題として長体軸に1/2 ひねりを達成する必要があること,という三つの運動課題が明らかとなった.