抄録
本研究は,一般市民ランナーを対象にマラソンレースの走速度とトレーニング走速度との関係を明らかにし,トレーニング走速度の設定方法を検討することを目的とした.フルマラソンを完走した一般市民ランナー100 名(男性50 名,女性50 名)を対象に調査を行った.その結果,男性ではトレーニング走速度とBMI,月間走行距離,マラソン走速度との間に有意な相関関係が認められた.女性では,BMI,月間走行距離,ランニング経験年数,マラソン走速度と有意な相関関係を示した.これらの指標を用いて,男女別にトレーニング走速度を予測する回帰モデルを作成した結果,検証群においても予測されたトレーニング走速度は実測値と高い相関関係を示した.以上の結果から,一般市民ランナーが目標とするマラソン走速度に対して,適正なトレーニング走速度の設定が可能となり,一般市民ランナーのトレーニングに有用である可能性が示唆された.