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脚本アーカイブの課題と未来 : 動画連動型脚本検索エンジンの開発を通じて
日野 祥智
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 61 巻 p. 72-79

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抄録

脚本は、映画や放送番組の骨格でありそれ自体が貴重なメディアアセットであるにも拘わらず、映画や放送番組の完成と同時に捨てられる宿命を帯びてきた。本稿では、「脚本」という文化資源アーカイブの構築に着目し、その課題と未来展望を論じる。具体的には、東京大学大学院の馬場章氏の脚本アーカイブ構想、吉見俊哉氏の文化資源アーカイブ理論、小川千代子氏の記録のライフサイクル論の三種の先行理論を用いて、筆者の考える脚本アーカイブの新モデルを導き出す。このモデルに立脚し、脚本それ自体のデジタルアーカイブ化を一歩進め、脚本により作成された映画やテレビ番組の動画映像に脚本が持つテキスト情報を同時に見せることを可能とした著者開発の動画連動型脚本検索エンジンの機能及び特色を紹介し、脚本アーカイブの未来への展望を述べる。

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© 2011 記録管理学会
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