Researches in Organic Geochemistry
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アミノ酸に対する続成作用のシミュレーション : グルタミン酸の熱変化に関する基礎実験
湯浅 精二山梨 秀己亀山 啓一
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1978 年 2 巻 p. 7-13

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抄録

続成過程におけるアミノ酸の変性を考察するため,温和な温度条件下でのグルタミン酸の熱変性をおこなった。グルタミン酸の熱安定性は,5C2Pのような一次的保存型によるところが大であり,glu↔5C2Pの平衡関係を破る環境要因が設定されてはじめてグルタミン酸の変性がおこる。gluの5C2Pとしての存在様式が当アミノ酸の変性にとって重要である。今回の実験条件(水溶液,110℃,22h)における5C2Pの変化の機構を説明するため [chemical formula] の変性過程と,これに基づく変性速度を導く式をつくり,変性過程を律速する条件を調べた。その結果,反応速度定数k'やkよりもg'やgが,とくにgがグルタミン酸の変性に重要な意味をもつことが明らかとなった。従って,環境に5C2P→yを触媒する条件あるいは,glu→x(後者はきわめて高温の場合,前者は比較的低温(<200℃))にする条件があればgluの変性は進行する。しかし,110°-140℃,水溶液の条件ではglu↔5C2Pが,ほゞ成立しているとみるべきであろう。

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© 1978 日本有機地球化学会
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