根の研究
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トマトの根域加温はマグネシウムの吸収を促進することにより葉の黄化を抑制する
中野 明正河崎 靖佐々木 英和中野 有加安場 健一郎鈴木 克己高市 益行
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2008 年 17 巻 2 号 p. 41-44

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抄録

トマトのロックウール養液栽培において, 根域を加温することにより葉の黄化を抑制できた. 葉の黄化には品種間差があり, 供試した2品種 (‘麗容’と‘桃太郎はるか’) のうち, ‘麗容’では無加温でも顕著な黄化は生じなかった. 無加温により黄化した‘桃太郎はるか’の葉では, 二価のカチオンであるカルシウム (Ca) とマグネシウム (Mg) と, 微量要素である銅 (Cu) と亜鉛 (Zn) の濃度が有意に低下した. 特に無加温によるMg濃度の低下は著しく, 加温区の55%の濃度となった. 葉緑素濃度との相関はMgが最も高く, 葉緑素濃度の低下の原因が根域の低温により引き起こされたMg欠乏である可能性が示唆された.

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© 2008 根研究学会
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