根の研究
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根域制限がイチゴ (Fragaria × ananassa Duch.) の生育および根系形成に及ぼす影響
山下 正隆沖村 誠
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2008 年 17 巻 3 号 p. 99-104

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抄録

種子繁殖型の四季成り性品種“エラン”を用いて, 根域制限がイチゴの根の生長および根系形成に及ぼす影響を検討した. 4月上旬に本葉3枚苗を3L, 1L, 0.2L容量の生分解性不織布ポットに定植した後, かん水同時施肥で管理し, 生育, 収量およびいくつかの根系特性を評価した. 葉柄長を除く地上部, クラウンの生育および収量には根域制限の影響は認められなかった. ルートモデルによりイチゴの根系は太根群と細根群に大別された. 根重は培地容量が少ないほど減少したが, 根長, 根表面積, 白色根の呼吸速度では培地容量による差は小さく, 根長密度は培地容量が小さいほど大きかった. イチゴは, 活発な不定根, 側根の形成・生長能力を持つことで, 根域制限下においても高い養水分吸収能力を維持し, 生産力が低下しにくい.

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© 2008 根研究学会
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