根の研究
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原著論文
バスケット法により評価したテンサイ品種の根の諸特性
今野 弘規吉富 啓悟笠島 真也吉田 穂積伊藤 博武*
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2014 年 23 巻 2 号 p. 39-46

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抄録

北海道のテンサイ品種において,根系の品種間差が明らかにされている浅根型品種の 「アセンド」,深根型品種の 「カブトマル」 および中間型品種の 「スタウト」の,主根から分枝する側根の発根数,根の伸長角度および根直径をバスケット法で観察した.発根数はS字状曲線で推移し,発根数の少ない第1次成長期,続いて発根数が急速に増加する第2次成長期,そして発根数が頭打ちとなる第3次成長期 が認められた.「カブトマル」 の発根数は 「アセンド」よりも多く,特にⅡ期とⅢ期の発根数の差が大きかった.側根の伸長角度は播種後16日目頃から品種間差異が認められるものの,この指標を用いた根系の深さの判定は困難であることが分かった.ルートモデルを用いた根直径の解析から,「カブトマル」 は 「アセンド」 よりも太い根が認められ,特に1次側根と2次側根が太かった.本研究により,深根型品種の「カブトマル」は太い根を持ち分枝能力が高く根系発達に優れていたのに対し,浅根型品種の「アセンド」は深根型よりも細い根を持ち根系発達が遅いことが分かった.

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© 2014 根研究学会
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