OHラジカルのウメ幼樹の地上部への処理が根系に与える影響を調べるため, 和歌山県田辺市のウメ栽培地の実験ハウス内の3処理区に2年生ウメ9本(鉢)/区を2001年12月に設置し, ウメの葉にOHラジカルが発生する溶液を曝露する処理区, 蒸留水を曝露する対照区, およびハウス外でOHラジカルを曝露しない屋外区 (ハウス外区) を設けた. 2002年4月~11月の8ヵ月の着葉期の間, 毎週3回早朝にOHラジカルを発生する溶液を散布し, 全根重, 太根重, 細根重 (直径2mm以下), および細根率 (細根重/全根重) を計測して, OHラジカルが根系に与える影響を調べた. 分散分析の結果, 細根の乾物重と細根率は (それぞれp<0.05, p<0.01) で処理区間に有意な差があり, OHラジカルの地上部処理による根系のへの影響が認められた. また, 暴露量と, 細根の乾物重および細根率との回帰分析では, 中位の相関が認められた (それぞれy=-0.122x+95.86, r=0451*, y=-0.026x+26.1, r=0.510**).