根の研究
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ポット栽培したイネの登熟期におけるファイトマーの数・大きさと根量の関係
阿部 淳森田 茂紀萩沢 芳和
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2000 年 9 巻 3 号 p. 131-134

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抄録

イネの根系形成を茎葉部の生育と関連付けて理解するために, 茎葉部を構成するファイトマーの数と大きさに着目して解析を行なった. すなわち, 施肥量と栽植密度の組合せが異なる処理区を設定し, 同一品種コシヒカリを栽培した. ファイトマーの数は総葉数, またファイトマーの大きさは平均茎直径でそれぞれ代表させた. その結果, 処理区によって茎葉部の生育が異なり, ファイトマーの数と大きさの組合せにも変異が得られた. その場合, ファイトマーの数が大きいほど総根長が長い傾向が認められた. そこで, 総根長=1次根数×「平均根長」と考えて解析を進めた. その結果, ファイトマーの数と1次根数, ファイトマーの大きさと「平均根長」の間に, それぞれ有意な正の相関関係が認められた. これは, 根量がファイトマーの数と大きさによって規定されるという著者らの考えを支持するものである. また, ここで得られたデータを用いて総根長を推定するモデルについて予備的に検討したところ, 高い適合度が得られた.

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