老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
原著論文
高齢者を対象とした聴力の主観評価尺度の作成
石岡 良子権藤 恭之黒川 育代蓮花 のぞみ
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2012 年 34 巻 3 号 p. 317-324

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抄録

 本研究の目的は,健聴から軽度,中等度の難聴の高齢者を主な対象者と想定した聴力の主観評価尺度を作成することである,加齢に伴って聞こえの困難さを自覚しやすい日常場面を用いた7項目からなる尺度を作成した.本尺度の特徴を把握するため,純音聴力検査を実施し,本尺度とともに基本属性,補聴器装用の有無,病気,性格特性,感情状態,精神的健康について回答を求めた.60歳以上の高齢者186人を分析した結果,本尺度は1因子構造を示し,信頼性の高い尺度であることが確認された.本尺度を目的変数とした重回帰分析の結果から,平均聴力レベル,補聴器装用の有無,外向性,ネガティブ感情が有意に関連することが示された.本尺度によって,平均聴力レベルとは異なるが,日常生活における聞こえの困難さを簡便に把握することができる.今後本尺度を用い,高齢期の聴力低下が心理・社会的側面に与える影響について検証することが望まれる.

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© 2012 日本老年社会科学会
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