老年社会科学
Online ISSN : 2435-1717
Print ISSN : 0388-2446
原著論文
同居家族からのソーシャル・サポートが高齢者のうつ傾向発生に与える影響
―― 5年後の追跡調査 ――
島田 今日子山崎 幸子中野 匡子斉藤 恵美子渡辺 幸子安村 誠司
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2012 年 34 巻 3 号 p. 350-359

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抄録

 本研究は70歳以上の地域高齢者を対象とし,同居家族からのソーシャル・サポートの有無が,うつ傾向の発生に与える影響を5年後の縦断データで検討した.分析対象者は男性223人,女性309人(平均年齢76.2歳)であった.調査では性別,年齢,家族構成,ソーシャル・サポート,うつ傾向,身体,心理的要因について回答を求めた.ソーシャル・サポートは情緒的,手段的ソーシャル・サポート別にし,うつ傾向の発生に関連する要因を調整変数として,各ソーシャル・サポートを説明変数,うつ傾向発生を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った.その結果,手段的サポートとの関連は認められなかった.一方,同居家族からの情緒的サポートが低い人は,高い人に比較してうつ傾向発生のリスクが有意に高く(OR = 2.31,95% CI 1.16−4.60),うつ傾向の発生を防ぐためには同居する家族からの情緒的な支援が重要であることが示唆された.

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© 2012 日本老年社会科学会
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