本研究は訪問介護員の利用者へのかかわり方に着目し,訪問介護において発生した事故の背景を明らかにすることを目的とした.訪問介護員が訪問介護において遭遇した事故に関する自由記述回答380件について,対応分析を行った.訪問介護員のかかわり方の特性は事故発生時の活動状況(場面)に反映されると考え,場面を示す変数を投入した.その結果,「介添え的な援助場面」「手続き的な対応場面」「見守り的な援助場面」「探索的な対応場面」の4つのクラスターを得た.居住環境の制約や利用者の心理的・身体的特性など個別性の高い環境において,利用者の意向の尊重,安全確保,利用者の見守りなど,状況を見極めながら業務を遂行している訪問介護員のかかわり方の特性が明らかとなった.