目的:サービス提供責任者は,本来の調整業務が満足にできないと,職務満足感の低下とバーンアウトにつながり離職意向を強めるという仮説の検証を目的にした.
方法:協力を得た事業所のサービス提供責任者904人を対象に質問紙調査を行い,有効回答は582件,回収率64%であった.次の因果モデルを検討した.リーダーシップが組織風土の活発性に影響し,組織風土の活発性と連絡時間の保証は,調整業務の水準に影響する.そして調整業務は職務満足感とバーンアウトを介して離職意向に影響するというモデルである.
結果:共分散構造分析を行った結果,有意な推定値が得られ,適合度はGFI = .856,CFI = .901,RMSEA = .067となり,モデルは許容範囲と思われた.
結論:サービス提供責任者に連絡調整の時間を保証せず,組織風土の活発性が低い事業所は,調整業務の達成度が下がるため,職務満足感の低下とバーンアウトの危険を高め,離職意向が増えることが示唆された.