老年社会科学
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Print ISSN : 0388-2446
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高齢者と若齢者における忘却に関する認識の特徴
堤 聖月
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2020 年 42 巻 1 号 p. 21-29

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抄録

 本研究の目的は,高齢者における日常生活の忘却に関する認識の特徴を,質問紙を用いて検討することである.本調査には,310人の一般成人(20〜23歳の若齢者197人,60〜86歳の高齢者113人)が参加した.調査協力者は,日常生活における忘却に関する認識についての項目と,日本版成人用メタ記憶尺度の一部の因子,思考抑制に関するメタ認知的信念,記憶機能の低下に対するストレス認知を評定する質問紙に回答した.また,高齢者のみ忘却に関する自由記述に回答した.得られたデータに対して相関分析を行ったところ,記憶活動に対する不安と忘却に関する認識は年代関係なく関連することが示された.また,忘却に対する統制不能感と思考抑制時に生じる逆説的効果に対する確信度は,若齢者でのみ正の相関がみられることが示された.自由記述から,高齢者は自身の忘却を必ずしも悲観的にはとらえていないことが示唆された.

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© 2020 日本老年社会科学会
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