宗教研究
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スピリチュアルケアへの宗教の貢献 : 宗教の復権に向けて(<特集>スピリチュアリティ)
窪寺 俊之
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2010 年 84 巻 2 号 p. 283-308

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抄録

終末期医療でスピリチュアルケアの重要性が認識されて久しい。スピリチュアルケアは宗教の枠を超えて、各人のスピリチュアリティ(超越性、究極性)を支えるケアである。宗教の有無に関わりなく、すべての人の魂の問題(人間存在の根源的問題)に向き合うスピリチュアルケアは多くの積極的貢献をしてきた。一方、宗教との分離によって、宗教が築いてきたスピリチュアルな遺産を切り捨ててしまう消極的側面も起きている。医療での倫理的判断基準をスピリチュアリティはもっていない。そこで歴史的時間と社会的共感の中で築いてきた宗教のスピリチュアルな遺産の再考が求められる。教義、文化、集団を形成する宗教のスピリチュアルな遺産が患者の魂の癒しに貢献するものと考える。

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© 2010 日本宗教学会
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