1976 年 15 巻 1 号 p. 43-48
今回も日本産業衛生学会許容淡度等に関する委員会事務局安達史朗先生の御了承を得て有害物質の許容濃度表(1975)を御紹介する.1975年は産業衛生学会の総会が例年より3月遅く開催になり,許容濃度等の公式発表が年末になったため,本誌の紹介も例年より遅くなっている.1975年に許容濃度が改訂になったのは塩化ビニル,メチルクロロホルムおよびホルムアルデヒドで,その他は従前の通りである.塩化ビニルについては,発癌性があるため,許容濃度0とすべきという意見もあったが,発癌性についてもdose・responseの関係があるという説もあり,最終的には学者のみでなく,行政当事者,企業家および労働者代表を加えて,徹底的な論議をつくしたとのことで,許容濃度決定方法としては国内の新しい例となった