1977 年 16 巻 4 号 p. 213-218
熱基礎方程式と,熱的および反応速度論的定数を用いて,小スケールおよび実大容器における高度さらし粉の熱発火プロセスのコンピュ一タシミュレーションを,Crank-Nicholson法で行った. このとき限界発火のみならず,短時間加熱での発火条件も検討することとし,併せてその実験を行った. その結果は,発火のプロセスおよび限界温度ともに実測値とよく一致した.また短時問加熱も温度そのものには若午の相違が見られたが,発火がまずどの部分から起るかという点については明確な知識を与え た.これらのことから,コンピュ一タシミュレーションは,種々の条件下における高度さらし粉の発火限界およびそのプロセスを予測するのに,非常に有用な方法であることが明らかになった.