1985 年 24 巻 1 号 p. 24-33
本編においては,第1報および第2報に掲げた基礎理論を実際のパイプラインに適用して求めた計算値と,実測値を比較した結果について報告する.その結果次のことが明らかになった, 1)第1報および第2報で仮定した理論がおおむね正しいことが実証された, 2)管路内の油温変化に基づく流量差の最大値は,その他の誤差の合計値よりはるかに大ぎくなり,流量差検知法による漏洩検知精度に著しい影響を与える. 3) 発生流量差は油温と周囲温度との差に関連して変化し,10月頃に流量差が負から正に転じ,4月頃に再 び正から負に転じて顕著な季節変化を示す.