1992 年 31 巻 5 号 p. 343-352
輸入農産物の増加に伴い,農産物輸出国で使用されたポストハーベスト農薬の残留が問題になってきている.そこでアメリカおよびオーストラリアの現地調査をふまえ,輸入農産物の残留農薬の検出テストを実施し,その検査結果を考察した。 ポストハーベスト農薬の影響としては,微量な化学物質摂取により引き起こされるアレルギー様の症状である化学物質過敏症との関連が問題視されはじめている。このような状況の中で厚生省は,これまで無防備だったポストハーベスト農薬への対応として,規制体制を整えつつあるが,基準値が緩すぎ問題を残しているのが実情である.