1996 年 35 巻 2 号 p. 158-162
ラベルのはく落などにより内容が不明となった化学薬品が,教育・研究機関の実験室などに蓄積されてきており,それらの発火・爆発性や毒性などの潜在危険性が指摘されている.しかし,不明薬品は大学などの実験廃棄物処理施設でも回収対象外であり,処理できないまま放置されているのが現状である.東京大学工学部では,東京大学環境安全研究センターの協力を得て不明薬品の調査,分析および処理を実施した.ここでは,その過程で明らかとなった,不明薬品の蓄積状況,および分析方法,処理の問題点について考察した.