2001 年 40 巻 1 号 p. 22-29
自治体が石油コンビナートの防災計画を策定するときの基礎となるアセスメント手法について概説した.この手法は,リスクの概念に基づいて,平常時と地震時にコンビナートで起こりうる災害について,発生危険と影響度の両面から評価するものである. 災害の発生危険は,日常操業での発生頻度または地震が起こったときの被害確率として表し,イベントツリー解析により推鑓する.一方影響度は,火災や爆発などに伴う物理的作用が人体に影響を及ぼす範囲として表し,確定的な解析モデルを適用して算定する.これらの結果をもとに,リスクマトリックスの考え方により対策の必要性や優先度の検討を行う.