一般廃棄物処理システムがその機能を喪失するリスクを,廃棄物の物質収支型動態評価モデルを構築することにより評価した.処理設備などの物理的被害からの復旧と臨時処理システムの併設を伴う災害時の廃棄物処理にモデルを適用し,その妥当性を確認した後,阪神淡路大震災における廃棄物処理実績を参照して,仮想「京都大震災」後の災害廃棄物処理の有り様を,災害後に採用されるであろう廃棄物対策の効果を比較する視点から,推定・評価した.また,廃棄物のフローとストック,焼却処理による減少・濃縮を允素レベルで解析する元素動態評価モデルを構築し,その適用例を示した. 構築したモデルは廃棄物処理システム内での廃棄物の種類および元素別動態を評価するのにほぼ十分な構造を有している.元素レベルでの動態解析は廃棄物処理に伴う物質型リスクの管理に貢献すると期 待される.