2015 年 54 巻 4 号 p. 268-273
子どもを重篤な事故・傷害から救うために考えられた製品・サービスが,消費者に受け入れられ,市場を形成するためには,(1 )危険の認知(ニーズ喚起),(2 )危険に対する科学的対策(論理的理解),(3 )その効果の認証とアイコン(情動的同意)の3 つのアクションが必要になる.これらを,産業界,研究者,NPO とで協力して進めている.その手段のひとつとして標準化を活用し,JIS などの標準による危険の認知と科学的対策,さらに,キッズデザイン協議会のフォーラム標準によるキッズデザイン・ガイドラインとそれに基づく認証を実施している.本稿では,これらの標準活動と,子どもの安全に科学的に対処する製品・サービスの市場を国際展開するために,国際標準化にどのように取り組むかの戦略について述べる.