安全工学
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論文
臨床研修病院の安全文化水準調査と文化醸成要因の診断
藤原 茂樹吉野 貴之高野 研一
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2016 年 55 巻 2 号 p. 115-124

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抄録

医療機関ではインシデントの報告件数が増加しているが,インシデントの増加ではなく,報告する文化が定着しつつあるとも考えられる.事故の低減にはこのような医療従事者の安全意識を創り出す源としての安全文化が重要である. 本研究は,医療安全文化水準の現状と病院間の格差や文化醸成要因を診断するため,安全文化の8 軸モデルに立脚し,病院全職員を対象にアンケートによる安全意識調査を実施した.49 施設4 967 人の回答を統計分析すると安全文化水準は他産業より若干低いものの同様の傾向を得た.また安全文化の醸成は経営者の関与に大きく左右されることが示唆された.それが病院の安全管理体制や個人の安全意識に作用し,安全に関する教育・体制・個人の姿勢を構築し,病院組織の安全文化醸成に寄与することで安全パフォーマンスを向上させることが示唆された.

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