安全工学
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環境・安全・防災のシミュレーション技術 特集(2)
粒子法を用いた地震動による石油類タンクからの溢流評価
橋本 博公
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2019 年 58 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

大規模な長周期地震が発生した場合,石油類タンクのスロッシングが大きな問題となる.スロッシングは強非線形の自由表面流れであるため,計算格子を必要とせずラグランジュ記述された粒子法は有力な計算手法となる.また,粒子法では質量が完全に保存されるため,タンク外への溢流量を正確に算出することが可能である.そこで,近い将来の発生が懸念されている南海トラフ巨大地震を仮定した強震動を与えた場合の浮き屋根式タンクからの溢流量を,粒子法のひとつであるMPS 法により推定することを試みた.その結果,浮き屋根式大型円筒タンクからの大量の溢流が確認され,巨大地震発生時の石油類タンクからの溢流防止対策の重要性が再認識された.さらに,中型・小型のタンクについても粒子法シミュレーションを行い,一例として,堺泉北臨海地区における南海トラフ巨大地震発生時の石油類の溢流総量の推定を試みた.

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