安全工学
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総説
コーヒーの成分と発がん抑制作用
木村 俊博伏脇 裕一
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2019 年 58 巻 5 号 p. 310-314

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抄録

コーヒーは昔から薬として使用され,今日では飲料として多くの人に愛されている. コーヒーと聞くとカフェインが真っ先に浮かぶ物質である.カフェインには脳の活動の活性化,思考力や集中力の上昇,疲労感の軽減などの作用があることが知られている.その他にクロロゲン酸,フェルラ酸,トリゴネリン等の体に良い影響をもたらす物質も存在する.これらの物質には,発がんリスクの低下に係わっていると考えられている. 近年の研究では,コーヒーを飲む人の肝がんや子宮体がんの発生率がコーヒーを飲まない人と比べてかなり減少し,発がんリスクを下げることが報告されている. コーヒーは漢方と違い,発症してから飲むのでは薬理的な効果は発揮されない.しかし,がん予防だからといっても限度があり,適度に嗜好品として飲むことが重要である.

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© 2019 特定非営利活動法人 安全工学会
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