2020 年 59 巻 6 号 p. 379-384
高経年化した化学プラントに共通性が高く,かつ保安上重要な損傷現象である保温材下腐食(以下CUI と略す)について,実機の検査データとその関連情報を複数の化学会社より多量に収集し,機械学習を用いて解析して,CUI による破損発生可能性予測モデルを開発した.合わせて,実機での測定データを基に,保温材を剥離しない状態でのサーモカメラ撮影や中性子水分計での計測が,CUI のスクリーニング試験方法として適用可能であることを明らかにした.CUI 予測モデル等をWeb 上でデータを提供いただいた化学会社に公開し,その活用,普及を図った.これらの技術によりCUI 検査や管理にリスク評価を精度良く適用することが可能となり,設備管理の合理化やプラントの信頼性向上に寄与することが期待される.