安全工学
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論文
老朽化した既存不適合機械による労働災害に関する考察
渡辺 純哉
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2023 年 62 巻 2 号 p. 130-138

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抄録

厚生労働省が毎年発表している労働災害統計によると,製造業では「はさまれ巻き込まれ」に分類される機械による労働災害が非常に高い割合で発生している.厚生労働省の「老朽化した生産設備における安全対策の調査分析事業」では,老朽化した機械の保護方策が不十分であることに起因する労働災害が多く発生していることを指摘している.本研究では,既存不適合老朽化機械として定義される保護方策が不十分な老朽化機械の残存台数を推定した. 続いて,推定残存台数の年次推移と,それによる死亡災害の年間発生率との相関を分析した.その結果,残存台数の推移は死亡災害発生率の推移とよく相関していることが明らかとなった.これらの不適合機械による労働災害を減らすには,老朽化した既存不適合機械の安全対策が不可欠であることが明らかとなった.

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© 2023 特定非営利活動法人 安全工学会
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