2022 年 16 巻 1 号 p. 10-22
本研究の目的は,健康行動変容理論に基づき,高齢者における主観的な学習ニーズの出現及びその実践への移行に関連する要因の異同を明らかにすることである.分析の結果,主観的な学習ニーズがない状態からニーズの出現のステージ変容には,学習効果への認知が関連していること,ニーズの出現から実践への変容については,学習効果への認知が高いこと,家族・友人が高齢者の学習に対して,好意的・支援的であることが関連していることが明らかにされた.主観的な学習ニーズがない状態からニーズの出現,ニーズの出現から実践という2つのステージの区分ではあるが,それぞれの段階への変容については,介入方法を異にすることが必要であることが示唆された.