2022 年 16 巻 1 号 p. 23-29
2021年に施行された改正高年齢者雇用安定法に伴い,定年退職前に勤めていた企業での継続雇用にとどまらない選択肢が提供された.本稿では引退前に勤めていた企業のネットワークや斡旋に依拠せずに働き口を見つけた「自己開拓」層に着目し,その社会経済的特徴と就業理由を継続雇用層との比較から明らかにした.
分析の結果,自己開拓層は継続雇用層と比較して教育年数が長く,さらに年齢も高い傾向にあることが明らかになった.就業理由は自己開拓層で「時間的余裕」を選択しやすい傾向が確認された.以上の結果から,企業規模・職業だけでなく,高年齢者の社会経済的属性や就業理由によっても移動経路に系統的な差異が生じていることが明らかになった.