産業衛生学雑誌
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フリーアドレス形式オフィスレイアウトでのVDT作業者の姿勢および身体的疲労感
岩切 一幸毛利 一平外山 みどり野瀬 かおり落合 孝則城内 博斉藤 進
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2006 年 48 巻 1 号 p. 7-14

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抄録

フリーアドレス形式オフィスレイアウトでのVDT作業者の姿勢および身体的疲労感:岩切一幸ほか.独立行政法人産業医学総合研究所―フリーアドレスとは,オフィス内の好きな机に作業者がコンピュータや資料を持って自由に座ることができる新しいオフィスレイアウトである.近年,このレイアウトの導入が増えてきていることから,従来の固定席形式レイアウトと比較した,フリーアドレス形式レイアウトの実状と作業者の疲労状況を明らかにすることを目的としたアンケート調査を実施した.解析対象者は,システムエンジニア職でノート型コンピュータを使用している20歳から59歳までの男性VDT(Visual Display Terminals)作業者203名とした.そのうち,フリーアドレスの作業者は150名,固定席の作業者は53名であった.フリーアドレス形式レイアウトは,固定席形式レイアウトに比べて個人の作業スペースの改善に有効であった.フリーアドレスにおいて危惧されてきた作業者間のコミュニケーションやサポートの不備については,作業者の不満は認められなかった.しかし,フリーアドレス形式レイアウトでは,踵が浮いた姿勢で作業している者が多く,椅子の高さ調節を行っていないと思われた.さらに,このレイアウトは,首・肩および背中・腰のこり・痛みを増大させる可能性も否定できなかった.このことから,フリーアドレス形式レイアウトは,何らかの問題を抱えている可能性があり,このレイアウトとVDT作業者の健康について更に研究が必要と考えられた.(産衛誌2006; 48: 7-14)

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© 2006 公益社団法人 日本産業衛生学会
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