産業衛生学雑誌
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調査報告
病院に勤務する男性看護師のSOC,ストレス反応,SOCとストレス反応との関連
吉田 えり山田 和子森岡 郁晴
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2014 年 56 巻 5 号 p. 152-161

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抄録

目的:男性看護師においては,首尾一貫感覚(Sense of Coherence,SOC),ストレス反応,SOCとストレス反応との関連を明らかにした研究は見当たらない.本研究では,病院に勤務する男性看護師のSOC,ストレス反応,SOCとストレス反応との関連性を明らかにすることを目的とした.対象と方法:男性看護師51名と女性看護師51名を解析対象者とした.女性看護師は,年齢を±1歳で,有する資格を看護師あるいは看護師と保健師で,勤務部署を「内科系病棟」「外科系病棟」「その他の病棟」の3区分で,男性看護師にマッチさせた.調査項目は,属性,SOC,職業性ストレス簡易調査票,勤労者のためのコーピング特性簡易尺度(Brief Scales for Coping Profile,BSCP)であった.SOCとストレス反応との関連は,心理的あるいは身体的ストレス反応を従属変数として,重回帰分析で検討した.結果:男性看護師の年齢の中央値は27歳で,四分領域は24–30歳であった.臨床経験年数の中央値は4年で,四分領域は2–7年であった.SOCの総得点には,男女間の差が認められなかった.男性の心理的な仕事の負担(質)は女性に比べ少なく,職場環境によるストレスは高かった.ストレス症状では,男性の抑うつ感が強かった.ストレス反応に影響を与える因子では,男性の上司・同僚からの支援度は女性に比べ低かった.BSCPの下位尺度では,男性の「他者への情動発散」と「回避と抑制」は女性に比べ高く,「問題解決のための相談」は低かった.SOCの総得点は男女とも,ストレス要因9因子,影響因子4因子,BSCP6下位尺度,年齢で補正しても,ストレス反応の心理的ストレス反応と身体的ストレス反応に有意な関連を認めた.SOCの下位尺度である処理可能感は,男性においてのみ心理的ストレス反応と身体的ストレス反応に関連性が認められた.結論:SOCは,性差を認めなかった.抑うつ感は男性の方が強かった.SOCの総得点と心理的ストレス反応・身体的ストレス反応との関連性は男女とも同様の傾向を示したが,SOCの下位尺度の関連性には性差を認めた.

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© 2014 公益社団法人 日本産業衛生学会
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