産業衛生学雑誌
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原著
使用後防じんマスク面体の細菌汚染とその対策─好気培養による評価─
樋上 光雄嶋田 由華石松 維世石田尾 徹笛田 由紀子保利 一
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2014 年 56 巻 6 号 p. 237-244

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抄録

目的:着用直後および着用後24時間室温で保管した防じんマスク面体の細菌付着状況を調べ,着用後のマスク面体について消毒用エタノールを使用しない除菌方法を検討した.方法:実験室等で約1時間着用した防じんマスク面体を対象とし,着用による面体への細菌付着の有無を確認した.次回着用時までのマスク面体の細菌汚染の継続を防止する方法を検討するため,皮膚から分離した細菌を塗布したシリコンゴムシートを使用し,除菌方法を検討した.「消毒用エタノールによる払拭」を対照とし,「水道水で払拭」,「水道水で払拭後乾拭き」,「蒸留水で払拭後乾拭き」,「乾拭き1回」および「乾拭き2回」の5つの方法を検討した.消毒用エタノールと同等の除菌効果があると認められた方法について有用性を実際に着用したマスクを用いて調べた.結果:着用により防じんマスク面体への細菌の付着が確認された.また,細菌の付着は25℃・24時間放置後のマスクからも認められた.「水道水で払拭後乾拭き」および「蒸留水で払拭後乾拭き」の2つの方法で「消毒用エタノールで払拭」と統計学的に同等の除菌効果が得られた.有効な除菌方法の1つである「水道水で払拭後乾拭き」により,着用したマスク面体での除菌効果を調べた結果,付着した細菌数の減少が認められた.考察:着用後の防じんマスクについては,未処理で保管した場合,24時間後も細菌のコロニーが検出されたことから,着用後の保管前に除菌する必要があると考えられる.防じんマスク面体の除菌方法については,水分を含むティッシュペーパーで払拭した後は,残った水分を拭き取ることが重要であると考えられる.

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© 2014 公益社団法人 日本産業衛生学会
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