産業衛生学雑誌
Online ISSN : 1349-533X
Print ISSN : 1341-0725
ISSN-L : 1341-0725

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

男性交代制勤務者における身体状況と生活時間および食事摂取状況の関連性
福村 智恵由田 克士田畑 正司
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: B15015

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

目的:本研究は,男性交代制勤者の生活時間(勤務時刻,睡眠時刻,食事摂取時刻)と食事状況を把握し,勤務形態と食事状況が身体状況や健康課題へ及ぼす影響を明確にすることを目的に実施した.対象と方法:対象は富山県現業系事業所の男性従業員187名(18–64歳)であった.2013年4月の定期健康診断時に食生活と生活習慣,生活時間に関する自記式アンケートを実施した.対象者の勤務状況(日勤,遅出,夜勤勤務)より,日勤勤務のみの者を日勤群(107名),日勤勤務の他に遅出勤務,夜勤勤務を行っているものを交代群(80名)とした.対象者の勤務状況毎の睡眠と食事行為者率を30分単位で集計し,さらに朝,昼,夕食の欠食率と夜食の摂取率を算出した.また,勤務状況毎の摂食回数と身体状況の関連を検討した.結果:交代群の日勤時の生活時間は日勤群と似た状況であった.しかし,遅出時,夜勤時の生活時間(睡眠,食事時刻)と欠食及び摂食率は大きく変動している現状が明確となった.また,交代群では勤務形態に関わらず1日3回以上食事を摂取している方が摂取していない群よりもBMIと体脂肪率は有意に低くなっていた.考察:交代制勤務者において食事の時間と機会の確保が恒常的に困難な状況にあることが示唆され,欠食を防ぎ,夜間の適切な食事摂取を支援する必要があると考えられた.

著者関連情報
© 2015 公益社団法人 日本産業衛生学会
feedback
Top