論文ID: E7007
本研究は、若年労働者のコンビニエンスストア(以下コンビニとする)を利用した食事摂取内容と労働状況に関する実態を明らかにすることを目的とし、肥満予防について検討した。一輸送関連企業の石川県内に勤務する 29 歳以下の労働者 284 人を対象に、無記名自記式質問紙を用いて調査を行い、193 人の回答を得た。その結果、労働状況のうち業務形態、泊りの有無、拘束時間の長さとコンビニの利用の有無に関連があったが、労働状況とコンビニを利用した食事摂取内容には明らかな関連はみられなかった。しかし、ほとんどの労働状況でコンビニを利用して摂取した1食あたりの平均脂質割合が 25 %を超えているという特徴があり、また、摂取頻度が高い食品は脂質割合が高いものが多いという結果が得られた。これらのことは肥満のリスクとなることが推測される。さらに、1週間のコンビニの利用日数が多いほど、食生活に対し「改善が必要だと思う」と考えている人の割合が有意に高くなっていた。以上のことから、若年労働者に対して肥満予防への支援が必要であると考える。若年労働者が栄養表示を確認し、食品を選択できるような支援をしていくこと、また、食品に栄養表示がされるようコンビニ側に働きかけることにより、情報を入手しやすい環境を整えることが求められる。