産婦人科の進歩
Online ISSN : 1347-6742
Print ISSN : 0370-8446
原著
再発卵巣癌・腹膜癌に対するペグ化リポソーマルドキソルビシンの治療効果と有害事象の解析
原田 文松村 謙臣小林 史昌馬場 長鈴木 彩子小阪 謙三万代 昌紀小西 郁生
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2011 年 63 巻 3 号 p. 277-283

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抄録

2009年7月から1年間に,化学療法で既治療の再発卵巣癌13例および腹膜癌4例に対し,ペグ化リポソーマルドキソルビシン(PLD)を使用した.1例でCR, 3例でPRが得られ,奏効率は27%(4/15)であった.いずれもPLDを2サイクル投与した時点では抗腫瘍効果が認められなかったが,3サイクル以後に抗腫瘍効果を効果が認められた.4例でSDが得られ,奏効例と併せて治療効果の得られた症例は53%(8/15)であった.有害事象としては,口内炎(53%),手足症候群(71%),骨髄抑制(88%)があったが重篤なものはなかった.これまでの化学療法がいったんは奏効し,初回治療からPLD投与までの期間が2年以上と長い症例では治療効果が得られる頻度が高かった(p<0.05).また口内炎を認めた症例では,奏効する例が多かった(p<0.05).PLD投与前より癌性腹膜炎による腹水貯留に対し腹水穿刺が必要であった症例は3例あり,いずれも全体としての抗腫瘍効果はPDであったものの腹水貯留は著明に抑制された.今後,本邦においても,再発卵巣癌,腹膜癌に対するPLD使用経験を蓄積しデータを発信して,その治療指針作成に貢献することが望まれる.〔産婦の進歩63(3):277-283,2011(平成23年8月)〕

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© 2011 近畿産科婦人科学会
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