産婦人科の進歩
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子宮筋腫に対するGnRHアナログの臨床効果  一発生部位別にみた効果を中心に一
柴田 幸子藤野 祐司辰田 一郎金岡 靖石河 修梅咲 直彦荻田 幸雄恩田 博松本 雅彦日高 敦夫山本 啓司宮崎 晶夫西村 淳一迫 久男島本 雅典濱田 和孝田中 文平田村 俊次中村 哲生須川 倍
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1996 年 48 巻 1 号 p. 6-11

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抄録

子宮筋腫に対する薬物療法に関してさまざまな試みがなされているが,なかでもGnRHアナログ(プセレリン)の使用が注目されている.今回,われわれは,子宮筋腫患者80例に対してプセレリンを900μ9/日,16週間投与し,その子宮筋腫に対する効果を検討した.対象は27歳から52歳(80症例)の過多月経などの症状を有する子宮筋腫患者で,超音波断層法にて計測し,平均65.4%の縮小率が得られた.また,子宮サイズの縮小とともに子宮筋腫にもとつく症状が軽快していくことが認められた.しかしながら,子宮筋腫発生部位別にみると筋層内筋腫,漿膜下筋腫に比べ,粘膜下筋腫において十分な縮小効果が得られず,筋腫発生部位により薬剤の効果に差があることが認められた.結果として,子宮筋腫患者に対する有用な治療法であると考えるが,子宮筋腫の発生部位別にGnRHアナログ療法の適応症例の選択を考慮する必要があると考えられた.〔産婦の進歩48(1)6--11,1996(平成8年1月)〕

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