農業施設
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歩行周期に基づく次数可変適応フィルタを用いる家畜の動的体重計測
青木 伸夫 水谷 孝一若槻 尚斗梅津 一孝
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2014 年 45 巻 4 号 p. 155-161

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抄録
畜産農家において,家畜の体重を管理することは,飼養方法を選択する上で重要な指標である。特に,家畜用の牛は乳用牛・肉用牛いずれにおいてもその体重を知ることは収益に密接につながるものである。従来は,柵・檻などを用いて強制的に静止状態を作り出し静的な状態での計量を行っていた。本論文では,牛の歩行周期に基づき,フィルタ次数を計量ごとに変える動的計測方式を提案する。牛がはかり上を歩行した場合,計測信号が整定することが期待できないとともに,重心の上下動に伴う外乱信号を含む。牛が一定速度で歩行した場合に生じる周期性から,計測ごとにフィルタの次数と係数の最適化を図り,この外乱信号を除去した。従来の単純平均による処理では,静止時体重と歩行時体重で±5 kg の差があったものが,この次数可変の適応フィルタにより±1 kg の差に収まった。乳用牛に対する歩行計測での実験結果で,実用上充分な精度が得られることを確認した。
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