抄録
佐賀県における小麦の収穫時期である5月~6月の高湿度環境に対応するため,除湿通風乾燥において1)ヒータによる加温を実施しつつ,送風機に取り付けたインバータによって空気供給量を減少させ,総消費電力量を従来のものと同等に維持する試験2)パイプによる一部空気の常温除湿通風乾燥機への還流を実施する試験,を行った。その結果,両方式とも従来型に比べて風量比が低い状況にもかかわらず,高い乾燥速度を得ることができ,エネルギ効率を高める運転が可能であることが確認された。さらに,ビン型サイロの空気流入部分である床下および穀物層上部の温湿度を計測することで,小麦の乾燥状況をリアルタイムで把握できることが確認された。その結果,夜間降雨時において従来型では乾燥が進行しない状況が認められたのに対し,本試験方法では乾燥状態の継続が確かめられた。