1966 年 11 巻 4 号 p. 327-334
1.同一髄液0.3,0.4,0.5,0.6mlを用いて同時に電気泳動し,使用髄液量と出現分画の数および濃度を検討した。その結果,髄液0.5mlを用いた場合が最もすぐれていると結論された。
2.同一泳動ゲルをくりかえし3回デンシトメトリーを行ない,デンシトメトリーの再現性を検討した。デンシトメトリーによる測定,成績の変動は比較的少なく,その再現性は満足すべきものであった。
3.正常血清と正常髄液の蛋白分画を比較検討し,髄液蛋白の由来は,血清成分の浸出の機転以外の機転も関与しているものと推定された。正常髄液17例の各蛋白分画の相対濃度百分率の平均値は,ρ:4.0%,A:73.7%,αL:2.1%,α1'~α2':3.8%,Tr:5.8%,β1':3.0%,βγ:5.6%,Sα2:2.0%を示した。