2012 年 46 巻 4 号 p. 295-300
われわれは最小発育阻止濃度を基準とした予測式を用いて,化粧品の保存効力を予測する方法を開発した。今回この方法により,特定の要件を満たした約500品の化粧品の保存効力を予測し,保存効力試験の結果との比較を行った。これらの化粧品は抗菌性原料の組み合わせ,保湿成分,粘度調整剤,油相成分等,配合成分に違いがあるが,本法を用いて保存効力の予測が可能であることが確認された。新しい化粧品を開発する際,防腐に必要な抗菌性原料の配合量は,これらの配合量のみを変えた一連の化粧品を作製し,保存効力試験の結果より決定される。適正な配合量を求めるためには試験を繰り返して実施しなければならないが,本法により計算によって配合量の目安が求められるため,試験品数が削減でき,効率的な新製品開発が可能になると期待される。