日本化粧品技術者会誌
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原著
グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキスの美容効果
鳥家 圭悟川嶋 善仁大戸 信明野嶋 潤池岡 佐和子田邊 瑞穂木曽 昭典
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2017 年 50 巻 4 号 p. 306-313

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抄録

近年,植物由来のセラミド(グルコシルセラミド)が肌の保湿性を高める素材として注目されており,化粧品素材としてだけでなく,食品素材としても認知度を高めている。われわれはパイナップルの果実にグルコシルセラミドが含まれていることを見出し,グルコシルセラミド含有パイナップル果実エキス(pineapple fruit extract containing glucosylceramides:PFEG)を開発し,肌に対する有用性を評価した。PFEGは皮膚において保湿に関わる遺伝子群の発現を増加し,さらにセラミド合成酵素の発現を増加させることでセラミド産生を促し,肌のバリア機能を高める作用を有することが明らかとなった。また,PFEGはメラニン産生を抑制することで皮膚の色素沈着を抑制する,美白作用を有するセラミド素材であることが見出された。この色素沈着抑制作用についてはPFEGを摂取しつつ,同時にPFEGを塗布することで効果が高まることが確認された。PFEGは,肌に対して内/外用途のそれぞれで優れた効果を発揮することで,幅広い美容商品の効果を高める「内外美容素材」として期待できる。

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