2017 年 50 巻 4 号 p. 329-333
ビデオマイクロスコープを用いて皮膚表面拡大画像を取得し,顔面の毛穴一つひとつの形状を解析するソフトウエアを開発した。毛穴の面積,個数に加え,毛穴を楕円近似したときの長径,短径,毛穴のたるみ率{(長径の長さ-短径の長さ)/長径の長さ},毛穴の方向(長径の方向)を求めるものである。ビデオマイクロスコープで取得した画像の質は解析結果に大きく影響するため,焦点のずれや画像のブレ,傾き等が少ない質の高い画像を取り込む必要がある。ビデオマイクロスコープは簡便な操作で何度でも容易に撮り直しが可能で,解析に最適な画像を得ることが容易である。また,被験者への負担も少ない。しかし,ビデオマイクロスコープ自体がもつ光源のムラや画像に映り込む体毛等のノイズが解析の妨げとなる。これらをできるだけ排除し,解析に適した画像を取得できるよう工夫をした。解析結果から得られた毛穴たるみ率,面積,方向を一つの図にプロットし,毛穴の特徴を一目で把握できる散布図も作成できる。