日本化粧品技術者会誌
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原著
肌のつやの評価法の開発と皮膚表面形態がつやに与える影響の解析
舛田 勇二八木 栄一郎大栗 基樹桑原 智裕
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2017 年 51 巻 3 号 p. 211-218

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抄録

本研究では,光学的な測定を用いて肌のつやの特徴を解明し,皮膚の表面形態がその光学的な特徴にどのような影響を与えているかの検討を行った。顔面光沢測定システム(SAMBA FACE)を用いて顔面の鏡面反射光と拡散反射光の大きさと肌のつやの関連を検討した。その結果,つやのある肌では拡散反射光と鏡面反射光がともに高い値を示すことが明らかになり,肌の拡散反射光および鏡面反射光がつやの計測に重要であることを見出した。顔面での鏡面反射光ならびに拡散反射光の加齢変化を調査するために,20~70代の女性60名を対象に調査を実施した。加齢に伴い,拡散反射光は低下する傾向にあったが,鏡面反射光は増加する傾向にあった。また,これまで肌の鏡面反射光を規定する皮膚要因が未知であったため,皮膚表面形態が鏡面反射光に与える影響を検討した。頬部の単位面積あたりの皮丘数ならびに角層細胞表面の粗さの計測を実施した結果,鏡面反射光の高い肌では,皮丘の数は少なく,角層表面が平滑であること見出した。

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© 2017 日本化粧品技術者会
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