1998 年 32 巻 3 号 p. 287-291
わが国において, UVAに対する紫外線防御剤のin vivo評価法は1996年以来設定されている。この方法は実験にヒトの背部皮膚を用いるため, 被験者に苦痛を与える方法である。そこでわれわれはUVA in vivo評価法の代替法としてin vitro評価法を検討した。トランスポアサージカルテープに紫外線防御剤2mg/cm2を塗布したのち, そのテープを0.1mMリボフラビン溶液, 8mMメチオニン溶液および1.5mMニトロブルーテトラゾリウム溶液の混液 (4:1:5) 0.1mlを入れた96穴マイクロプレート上に置き, 350-380nmのUVAを照射した。3分間隔で30分間550nmでの吸光度を測定したとき, 吸光度と時間の間の回帰方程式は直線を示した。紫外線防御剤のテープへの塗布と無塗布のものを用いたときに得られた直線の傾き, STおよびSOからin vitro PFA値SO/STを求めた。11試料について得られたin vivo PFA値とin vitro PFA値を比較したとき, 両者にはよい相関関係が認められ, in vitro評価法としての可能性が示唆された。