抄録
ネイルエナメルを長期にわたって使用し続けることにより, さまざまな爪のトラブルを引き起こす場合があることが知られている。爪のおもなトラブルとしては黄変, 折れ, 二枚爪 (爪甲層状分裂症) 等があげられる。そこで, これらのトラブルのうち, 比較的発生率の高い折れおよび二枚爪に着目し, それらの発生原因に関して, 爪中の水分と爪の力学的特性および構造の観点から基礎的な検討を行った。その結果, 爪の水分含有量は角質層 (人の足底) と比較して低かった。吸湿, 吸水による爪の膨潤は, 厚さ方向で顕著であった。吸水過程における爪の動的粘弾性の測定から, 吸水にともなって爪の状態が変化していることが示唆された。また, 折れおよび二枚爪の発現機構を提案した。