日本化粧品技術者会誌
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加齢による顔面皮膚表面での形態変化の部位差について
西島 貴史大須 弘之北原 隆武馬 吉則
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2001 年 35 巻 2 号 p. 141-148

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抄録

皮膚表面の形状解析はレプリカの画像解析により行われているが, 毛穴の大きさを直接的に解析したものはない。今回われわれは皮膚表面レプリカの画像解析により, 窪みとして認識できる大きな毛穴について解析を行った。10代から70代までの健常女性98名 (平均年齢45.0歳) の顔面4ヵ所, 頬上部・頬中部・頬下部・オトガイからレプリカを採取した。レプリカ画像を二値化し, 面積が0.02mm2以上のものを毛穴として面積・長さを解析した。レプリカ画像における毛穴の総面積は, 頬下部とオトガイにおいて加齢に伴い増加していた。年代別の解析によると頬中部は40代が最大であり, 頬下部とオトガイは60代が最大であった。毛穴の大きさは頬中部・頬下部・オトガイにおいて加齢に伴い増加しており, 大きい毛穴の数は頬下部・オトガイで増加していた。一方, 毛穴の形状は頬上部と頬中部において加齢に伴い長くなっていた。以上, 頬下部とオトガイの毛穴は加齢とともに大きくなっていたことから, 毛穴とその周囲の形状は加齢とともに大きくなるものと考えられる。頬上部と頬中部はたるみにより皮膚が伸長するため, 毛穴が長くなり加齢とともに大きくはなりにくいものと考えられた。

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