日本化粧品技術者会誌
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皮膚表面摩擦特性と感触評価
江川 麻里子平尾 哲二高橋 元次
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2003 年 37 巻 3 号 p. 187-194

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抄録

官能評価は, 化粧品を開発する上で重要な評価項目である。しかしながら, 評価者の好みや体調, 心理状態によって変動することも多く, 客観的で再現性の良い機器による評価が望まれている。これまでにわれわれは, ヒト皮膚表面でのすべり摩擦測定を行い, 摩擦係数と皮膚生理パラメータとの関連性を検討してきた。本報告では, 化粧品塗布後の皮膚表面摩擦と官能評価との関係を検討することを目的とした。実験は, 市販の表面摩擦測定機器, KES-SETM (カトーテック (株)) にアームホルダーを取り付けて行い, 摩擦特性値として, 平均摩擦係数 (MIU) とその平均偏差 (MMD) を用いた。皮膚摩擦特性に大きく影響する角層水分量はComeometer CM 825TMを用いて測定した。使用感触の異なる9種類の乳液を用いて, 塗布直後, 1.5, 4, 5.5, 7時間後のMIU, MMDを測定し, 官能評価は6名の専門家パネルおよび149名の一般パネルにより行い, 機器測定の結果と対応させた。その結果, MIUと「しっとり」「べたつき」とは正の相関, 「つるつる感」との間には負の相関が認められた。さらに, 化粧品塗布直後からのMIUの経時変化のパターンは, 化粧品のなじみの良さと関係あることを見出した。また, MIUとMMDの値から「油っぽさ」と「しっとり」を分けて評価できることがわかった。以上の結果から, 本機器は, 化粧品を皮膚に塗布した後の感触評価に活用可能であることが示された。

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