長期間UVに晒された皮膚では, 内部構造の変化や表面のシワ形成などが認められる。変化した構造は架橋されて固定されるため, UVダメージが相当深刻な皮膚を元の状態に戻すことは, それほど簡単ではない。そこで, 光老化の初期段階で対処することがシワ対策スキンケアには重要であると考えた。しかし, 多くの化粧品ユーザーにとって真皮のUVダメージを知ることは難しい。本研究では, 光老化による真皮の構造変化を力学的特性の変化として非侵襲的に検知する方法の可能性を検討した。その結果, UVダメージの程度により異なるコラーゲン線維の三次元構造状態がわれわれの開発したResiliometerの測定値と, また光老化の進行とともに増加する弾性線維の変性蓄積量がCutometer測定値とそれぞれ相関することがわかり, これら真皮の変化が機器測定値としてとらえられる可能性が示された。